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森の女子大生のブログ

方向性が定まらない。インターネット関連のことが多めになる予感。

チケット転売問題をトピックごとに考えてみる。

調べもの

去年頃から「チケット転売問題」について耳にすることが増えました。

様々な議論が巻き起こっていますが、高額転売と個人の転売が混同して議論されたり、感情が先行して一方的な批判になっていたりするので、トピックごとに分けて考えてみたいと思います。

 

目次▽

 

チケット転売の歴史

そもそもチケットの二次流通ルートは、

昔からある、ダフ屋(ライブ会場近くでチケットの転売を行う)や金券ショップの他に、

近年勢いを増しているネット上での流通(チケット転売サイト、フリマアプリ、ネットオークション、SNSでの個人間取引など)

そして、それに対抗する形で登場した、公式による定価リセールがあります。

(定価リセールについてはこちらに書きました。音楽業界の転売対抗策と、チケットマーケットプレイスのトラブル防止策 - 森の女子大生のブログ

 

ダフ屋行為は、都道府県の迷惑防止条例などで禁止されており、違法行為にあたります。

しかし、ネット上での転売は法律ではグレーなのが現状です。
(ネットでのチケット転売をめぐる法制度についてはこちらに書きました。チケット転売は違法なのか? - 森の女子大生のブログ

 

オークションサイトやSNSでの個人間取引では、振り込んでもチケットが届かない詐欺などのトラブルが多く、ユーザー自身もグレーな行為だと多少後ろめたさを感じながら使っていました。

しかしシェアリングエコノミ―が開花した時代。個人の評価システムや、運営によるお金の一時預かりにより、ネット上での個人間売買は安全性を増し、広く一般に認知されるようになりました。

そして、チケット売買を専門にするチケットマーケットプレイスも登場します。チケットキャンプがテレビCMを放映したことにより、「ネットでの個人間チケット売買の一般化」は決定的になりました。

音楽業界もさすがに黙っているわけにはいかなくなり、「チケットの高額転売に反対します」という共同声明を発表しました。チケットの購入・入場時の個人認証の強化や、公式による定価でのチケット二次販売システムの整備も進めています。政府に対して、チケットの取り締まりを強化するようロビー活動も行っているようです。

 

実はこれにはもう一つの背景があります。

これまでの音楽産業を支えていた音楽ソフト(主にCD)の売上が2005年以降減少し続け、一方で音楽ライブ市場の売上が近年急増しています。2014年には音楽ライブの売上が音楽ソフトの売上を追い抜いているのです。

このような状況では、音楽業界が音楽ライブでの権利問題に力を入れるのも当然でしょう。
(音楽市場の変化についてはこちらに書きました。音楽市場の変化(音楽ソフト・有料音楽配信・音楽ライブ) - 森の女子大生のブログ

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音楽ソフト 種類別生産金額推移日本レコード協会
エンタテインメント市場における 「電子チケット」の現状レポート|ぴあ株式会社)
2015年のライブ・エンタテインメント市場|ぴあ株式会社)

  

チケット転売をめぐる議論トピック

まず、チケット転売問題の大前提として、

・ネットでのチケット転売自体は違法ではない

・「急用で行けなくなった」人のために、二次流通は必要

・モノの値段が需給によって変動するのは市場経済では自然

という点に関しては、どの立場の人でもだいたい意見が一致しています。

それを踏まえた上で、以下の議論を見ていきましょう。

 

1. 定価リセール VS 自由取引

定価リセール派
「急用で行けなくなった」人のために、定価での転売なら問題ない。

自由取引派
いくら高い値段がつこうと、それが正当な商取引であれば問題ない。

 

ここで問題となるのが、正当な商取引とは何か、ということ。

自由取引派の主張としては
「需給バランスによって、人気チケットが高額になったり、不人気チケットが定価割れすることは、市場がうまく機能しているということ。お互い納得して売買が成立しているなら問題ない。」といったところでしょう。

それに対し定価リセール派からは、
「人気チケットの一次販売では、不正業者によるチケットの買い占めが起きており、一般の人が定価で買うことが難しくなっている。不正な買い占め状態の先にある売買は、そもそも正当な商取引といえるのか?」という反論が上がります。

 

ここで、不正業者によるチケットの買い占めという新しい問題が出てきてしまいました。(不正業者によるチケット買い占めの現状は、こちらの記事に詳しく書かれています。追跡!チケット高額転売の舞台ウラ - NHK クローズアップ現代+

どうやら「市場システムによるチケットの転売」自体が悪いというより、「不正業者によるチケットの買い占めと高額転売」を助長してしまうことが悪い、ということのようです。

チケットキャンプなど非公式のチケットマーケットプレイスサイドも、「転売目的でのチケット購入・販売」は禁止しており、あくまでも個人間取引のためのサービスとしています。これが本来的に成立していれば問題はなかったのでしょう。しかし現実ではそう上手くいかないようです。

 

2. 不正業者によるチケットの買い占めと高額転売は何が悪いのか?

・チケットが本当に欲しいファンの手に入らいない

・高額な転売チケットをファンが購入することで経済的負担を受け、グッズ購入などの資金が減る。(高額チケットの利益は転売屋と転売サイトにしか入らないため、音楽業界には還元されず、結果的に音楽産業全体の市場が小さくなり衰退する。)

・入場できないチケットや偽造チケットが売られるなど犯罪の温床となる

などが挙げられます。

 

そもそも不正な買い占めとはどういったものでしょうか。

あるユーザーは、専用のプログラムを使い、わずか1秒の間に30回ものアクセスを行っていました。さらに別のユーザーは、自動で大量のアカウントを取得。アクセス数を増やしていました。さらに、取得のタイミングを微妙にずらすことで、複数の人物が実在するように偽装しているといいます。( NHK クローズアップ現代+

これにより、チケット販売開始直後のサイトにはアクセスが集中し、一般人は回線の混み合いでアクセスできなくなり、繋がった頃にはチケットが売り切れている、という事態も生じています。

イベントによっては3分の1くらいのチケットが買い占められ、転売サイトで出回っているともいわれ、問題はどんどん深刻化しているようです。

 

このような不正アクセス、不正な買い占めを、公式チケット販売のシステム側で阻止できれば一番なのですが、それも難しいようです。

ぴあ執行役員の東出さんは「新手、新手の手口で、本当にいたちごっこのようなところはある。システム的にも人的にも、非常に負荷がかかっているのは事実。」と述べています。

 

3. 不正な買い占めと高額転売の防止策

では、どのように防げばいいのでしょうか?

ライブ運営側の対策としては、複数あります。

・本人確認を徹底する

・座席の当日発表

・販売価格の弾力化

・公式二次流通システムを整備する

・転売チケットを無効化する

 

そこで、先に挙げたような様々な対抗策が出てきているのです。 

対抗策1 - 本人確認を徹底する 

チケット購入時にスマートフォンのSMSで端末を認証して本人確認し、スマホ1台あたり1回しか買えないようにする仕組みは今後、メインストリームになってくるだろう。

チケット購入者が顔写真を登録しておき、ライブ会場で係員が照合する顔認証システムを導入しているアーティストもいるが、導入コストが大きく、チケット価格にコストが反映されてしまう。認証の厳格化にも限界がある。ITmedia NEWS

熱心なファンだけにきてほしい、という意向があるなら効果的な方法でしょうが、複雑な仕組みは門戸を狭め、結果的にファンを減らすという指摘もあります。

 

対抗策2 - 座席の当日発表

事前に発行されたチケットに座席番号を記入せず、 当日の発券時に座席の発表をしている例もあります。これによって人気の高い前の席を高額で転売することが不可能なり、実際に高額転売を減らすことを可能にしています。

ただこのような平等主義的な取り組みは、高いお金を払ってでも近くで見たいという熱狂的なファンにとっては必ずしもいいものとは言えないかもしれません。

会場の規模やアーティストグループによって、向き不向きがあるでしょう。

 

対抗策3 - 販売価格の弾力化

日本のライブはチケットの座席間の価格差が小さく、一律同じ値段のものもあります。そうすると需要の高い前の方の席は高額転売し、大きな利益を得ることができます。

アメリカなどでは座席間で価格差があることが一般的で、日本でも少しずつそのようなライブも出てきました。

詳しくはこちらの対談で語られています。

チケット高額転売問題、解決策は「いろいろある」 津田大介さん・福井健策さんの見方 (2/5) - ITmedia NEWS

 

以下のような指摘もあります。

チケットの入手機会が不透明で複雑なことも、「転売屋」がなくならない原因になっている。日本のエンターテインメント業界では、チケット価格の値上げを避けながら、実質的な販売価格を引き上げるために、「ファンクラブ会員先行」や「商品購入者限定」といった方法を取るケースが少なくない。購入方法が複雑になればなるほど、悪質な業者は情報をたくみに集めて、効率よくチケットを買い占めてしまう。そうなれば熱心にウォッチしていないライトなファンは、「転売屋」の高額なチケットを買うしかない。

米国の知人に「日本のファンクラブには高額な会費が必要だ」と話したところ、とても驚かれた。米国のファンクラブは、興味のある人をどんどん集めて、ライブ予定などの情報を提供する開かれた場所だからだ。閉鎖的な会員組織を通じてチケットを少しずつ捌いていく日本のシステムは、実は「転売屋」にとても有利だ。入手機会をできるだけ平等にして、主催者が本来の価値に応じた価格設定を行えば、転売で利益をかすめ取るのは難しくなる。(PRESIDENT Online

 

しかし、チケットの価格に弾力性をもたせるだけでは全ての問題が解決するわけではないようです。

例えば、QUEENの来日コンサートのチケットは、座席によって定価が1万2500円~4万円と価格差がついているが、チケットキャンプには全席種が高額で出品・転売されている。完全オークション制などでない限り、どんな価格でも買い占めて儲けようという行為は出てくる。ITmedia NEWS

 

対抗策4 - 公式二次流通システムを整備する

現在ある公式リセールは、全て定価での取り引きのようです。

各サービスについては詳しくはこちらにまとめました。

音楽業界の転売対抗策と、チケットマーケットプレイスのトラブル防止策 - 森の女子大生のブログ 

人気のあるチケットは、転売サイトなどで高値で売れることを知っているため、定価で取引することを躊躇するファンも多いでしょう。また、「安ければ買いたい」というライト層の希望もかないません。

これはモラルに訴えかけるのではなく、仕組みを改善しなければ解決しない問題だと思います。

アメリカでは公式の二次転売も普及しており、高額のチケットも相応の手数料をとりアーティストに還元される仕組みになっているようです。

一次流通のチケットの値段の弾力性も含め、音楽業界は検討していく必要があるのではないでしょうか。

 

対抗策5 - 転売チケットを無効化する 

2015年11月から、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)は転売チケットの一律利用禁止を発表しました。転売が確認できたチケットのQRコードは無効化され、転売チケット購入者は入場できなくなります。

USJは転売チケットを無効化すると同時に、転売業者に「購入したチケットを無効化した。無効化を知りながら転売すれば刑法で詐欺罪に問われる」と警告文を送付し、転売先に返金することを呼びかけていました。これを受け、7~8割は返金されたと同社はみています。

結果として、転売市場に出回るチケットは20分の1に減少しました。

ただ、この施策にたいする懸念点は3つあります。


(1) 転売対策にコストをかけられる一部の大手だけしか実施不可能では?USJでは転売対策のために、20人の監視チームが転売サイトと自社の販売データを照合し、チケットの番号を特定しています)
➝転売チケット発見システムが開発され、安価で導入されるようになれば中小でも対応可能になりそうです。

 

(2) 無効だと知らずに転売チケットを購入した一般客の権利は?
➝導入時、無効になったチケットは4千枚以上に上りましたが、実際に転売チケットで入場したケースはほとんどなかったそう。転売業者への警告文が功を奏した形です。(産経WEST

USJマーケティング本部長の森岡さんは「転売しなかったゲストの方を、転売したゲストよりも僕らは守りたいという決断をしたんですね。苦渋の決断で、それは実行させていただきました。」と述べています。( NHK クローズアップ現代+

 

(3) 「急に行けなくなった」人の救済策は?
一切の転売が不可能であれば、仕事が忙しく予定が読めない人がチケットを購入するのは難しい。
➝ 公式による定額リセールなどの組み合わせが必要でしょう。

 

4. チケット転売を法律で規制するべきか?

規制を強めれば、取引がアンダーグラウンドな場に移り、詐欺などの温床になるとも言われています。

 チケット転売をめぐる法律に関して詳しくはこちらに書きましたが(チケット転売は違法なのか? - 森の女子大生のブログ)現行法での規制は難しいようです。

 

チケット転売が大きな問題となっている今、音楽業界がチケット転売の取り締まりを強化するロビー活動を展開する動きも見られています。法規制までする必要があるのか、ある程度までは市場原理に任せておくべきなのか、については議論が分かれるところでしょう。

私個人としては、まず音楽業界が主導して、先に挙げたような本人確認やチケットの値段の弾力性、公式リセールの整備などを行ったあとに、法律が後追い的な形でそれでも防げない問題を取り締まる、といった形が自然だと思います。

 

5. チケットマーケットプレイスはどうしていくべきか?

法律的にはグレーではあるものの違法性はなく、  市場原理として人気チケットの値段が釣り上がることが自然であるとしても、転売屋のチケット買い占めと高額転売に間接的に寄与してしまっている事実は否定できません。

チケットキャンプと音楽業界には話し合いがあったものの、「定価のチケット取り引きに限定して欲しい」という音楽業界の要求は受け入れられず、議論は平行線を辿っています。

このまま音楽業界と対立関係を続け、高額転売の横行を野放しにするのか、あるい音楽業界の規制により転売サイトが淘汰されていくのか。それとも、転売サイトの手数料の一部をアーティストに還元するなど何らかの折中策をとっていくのか、今後の展開が気になります。

 

 

 参考サイト

なぜ今、「転売NO」と訴えたのか――チケット高額転売問題、音楽業界の“本音” (1/5) - ITmedia NEWS

チケット高額転売問題、解決策は「いろいろある」 津田大介さん・福井健策さんの見方 (1/5) - ITmedia NEWS

追跡!チケット高額転売の舞台ウラ - NHK クローズアップ現代+

チケットの高額転売はなぜなくならないか | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online


音楽業界の転売対抗策と、チケットマーケットプレイスのトラブル防止策

調べもの

2016年8月23日、音楽業界の4団体と116組のアーティスト、24の音楽イベント主催者が「チケットの高額転売に反対します」という共同声明を発表しました。#転売NOというハッシュタグとともにSNSで拡散され、読売新聞にも掲載。公式サイトも開設され、現在は発表当初よりも参加者/団体が増えています。

 

「ネットダフ屋」問題が浮上したのは10年以上前ですが、なぜこのタイミングだったのでしょうか?

きっかけはチケットキャンプのテレビCMでした。音楽業界は「転売サイトがあたかも世の中に認められた”公式”というイメージになり、ユーザー側にも罪悪感がなくなってしまうと危機感を覚え、まずはアーティストが声をあげ、チケットの高額転売には反対だと明確に示すことが必要ではないかと考えた」ようです。

 

音楽業界の転売対抗策

公式サイトによると、音楽業界は以下のような転売対抗策をとっているようです。

  • 具体的対策(例)
    - 会員登録の厳格化(多重登録の防止等)
    - 不正購入情報の関係者間情報共有(個人情報を除く)
    - 電子チケットの導入による本人確認の厳格化
    - オフィシャル再販(リセール)サービスの順次導入 

 

  • 全体サイクルの中での、転売抑止策

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  • 認証例
    - クレジットカード認証
    - QRコード認証
    - スマートフォン個体識別番号認証
    - 氏名(券面氏名と写真付き証明書の照合)

 

 

公式リセールを支えるパートナー企業

「tixeebox」の特徴

  1. 転売防止(SMS/音声通話認証、チケット分配の制限/防止、座席任意表示機能など「レベル別の転売防止機能」を実施)
  2. 公式チケットマッチングサービス(「DMM Passストア」で定価でチケット受け渡し。公演当日までの売買が可能。)
  3. インバウンド対応(世界中のどこでもチケット受け取り可能。多言語対応。)

  

  • EMTG
    オフィシャルファンクラブ公認の「チケットトレード」サービスを運営。定価取引、入場保証。

 

「チケッティング事業:転売防止/オークション対策」の特徴

  1. 当日発券(ライブ当日まで座席と座種が未定)
  2. 顔認証(過去、ももいろクローバーz、B'z、福山雅治、BABYMETAL、Mr.Children南條愛乃などが実施)
  3. マッチング(主催者主導の公式二次流通システム。転売目的でないユーザーを特定し、定額にてチケットを譲渡。)

 

「ticket board」の特徴 

  1. 不正転売の防止(所有者の本人確認、公演直前の座席通知)
  2. 海外在住者への対応(英語版の申込/販売ページ/ユーザーガイド/FAQ対応)
  3. 抽選と配布(主催者の意向に沿った柔軟な抽選や配布が可能)
  4. 顧客情報の取得/データ利用・分析
  5. リアルタイムでデータ集計

  

定価リセール(定価での再販売)のみの二次流通サービスを運営しているチケットぴあは、転売チケットのトラブルとして以下の3つを挙げています。

  1. 詐欺に遭ってしまう
  2. 入場できない
  3. 公演中止・延期の場合の補償が無い

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チケットマーケットプレイスのトラブル防止策

しかし、チケットマーケットプレイス側の取り組みも進んでいます。

チケットキャンプを例に取ると、上記の1.と3.については問題なく、2.については万が一入場できないことはあるが、全額返金という補償をしています。

具体的な取り組みを見てみましょう。

 

チケットキャンプのあんしん取引

【詐欺・トラブル時の補償】

・全額返金制度
 チケットが届くまでは運営が代金を預かるため、万が一届かない場合は全額返金。

・偽造チケット補償制度
 購入したチケット(紙発券のみ)が偽造チケットの場合、チケット代金を運営が補償。

・電子チケットの入場確認
 入場確認ができるまでチケット代金を運営が預かり。また偽造QRコードなどトラブルが発生しない仕組みを用意。

【ユーザーの保護】

・個人情報非公開取引
 本人確認を行うことで「プライバシー機能」が適用され、取引時に登録住所・氏名を非公開にすることが可能。

・常時サポート体制
 365日24時間カスタマーサポートが対応。

【ユーザーの質の担保】

・評価システム
 取引ごとにユーザー同士の評価を導入。運営判断により一定基準よりも低い評価を受けたユーザーの取引停止、強制退会なども行っているもよう。

・本人確認
 公的書類による本人確認を行い、「本人確認済み」の認証マークを表示して個人の信頼性を担保。

・違法チケットの通報受付
 詐欺チケット、悪質ユーザーの通報機能あり。運営判断により悪質なユーザーの利用停止措置を行う。

 

以上のように、万全なサポート体制が築かれているようです。
しかし公式ではないがゆえに「万が一入場できない場合がある」ことは事実。お金が全額戻ってきても、楽しみにしていたライブに入れないのは大きな損失ですね。

ライブ会場で当日チケットを手渡しすることもできるユニークな制度を設けているチケットキャンプ。ユーザー間のやり取りを見ていると、身分証明書が必要な受付では購入者本人が同行して入場することもあるようです。

 

平行線を辿る話し合い

冒頭の音楽業界の声明でやり玉にあげられたチケットキャンプですが、音楽業界との話し合いは行われたものの、平行線を辿っているようです。

2016年10月には、mixi社外取締役中村伊知哉さんが辞任しました。

中村氏は、ミクシィの取締役であると同時に、音楽制作者連盟音制連)、音楽事業者教会(音事協)と関係しており、「おそらく両サイドに足場を置く唯一の者」として問題解決に取り組み、ミクシィ側と音楽業界の関係調整に努めたが、「力が及ばず、アーティストの意見表明や、その後の報道などに至り責任を感じた」と、自身のブログで述べています。

 

チケット転売は違法なのか?

調べもの

チケット転売に関連する法律は3つ(迷惑防止条例古物営業法、詐欺罪)ありますが、どれも判断が難しく、違法行為かどうかはグレーです。

 

1. 迷惑防止条例

駅や道路などの「公共の場」での転売行為は都道府県が条例で禁止していますが、ネット空間で取り締まるルールはありません。インターネットは「公共の場」なのか?という不明確性が問題になっています。

 

そもそも「公共性」とは、「広く社会一般に利害・影響を持つ性質。特定の集団に限られることなく、社会全体に開かれていること」大辞林』(松村 1995)とされています。

迷惑防止条例の「公共の場所」は、不特定多数の集まるところ、個人の識別もされていない場所です。ネット空間のチケットマーケットプレイスのように、会員登録があり、個人の特定ができる場所は該当しません。

また東京都条例を例に取ると、ここでいう「公共の場所」とは興行場などに準じる場所とされているため、ネット空間は含まれないでしょう。(その他道府県の条例はこちらにまとまっていました)

 

東京都:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(乗車券等の不当な売買行為(ダフヤ行為)の禁止)
第二条 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関を利用し得る権利を証する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を証する物(以下「乗車券等」という。)を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物(以下「公共の乗物」という。)において、買い、又はうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラその他の文書図画を配り、若しくは公衆の列に加わつて買おうとしてはならない。
2 何人も、転売する目的で得た乗車券等を、公共の場所又は公共の乗物において、不特定の者に、売り、又はうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラその他の文書図画を配り、若しくは乗車券等を展示して売ろうとしてはならない。

 

ダフ行為の中心的な場所がネット上に移った以上、ネット空間でのチケット売買も迷惑防止条例で取り締まるべきという意見もありますが、現状では難しいようです。これについて、コンサートプロモーターズ協会の石川篤総務委員は以下のように述べています。

迷惑防止条例でネット上のダフ行為も規制できるよう、「ネット空間を公共の場として認めてほしい」と、国会議員都道府県、関連省庁に訴えているが、なかなか難しい。公共の場にネット空間が含まれると、ほかのさまざまな法律に影響が出ることや、実害が激しく出ているわけではないこと、明確な根拠法がないことなどが理由だ。
サーバはどこにでも置けるため、ネット上でのダフ屋行為は、どこを発生地とみるかで議論が分かれる。ダフ屋行為を規制する条例がない県もあり、全国的に網羅するのは難しい。結局、リアル空間での現行犯逮捕しかない。
コンサートプロモーターズ協会は、チケットの不正転売防止を目的とする協定を警視庁と結んでいる。今後も警視庁と情報共有し、摘発につなげていきたい。ITmedia NEWS

 

2. 古物営業法違反

チケットは中古品、古物の扱いになるため、営業として転売を繰り返す行為は都道府県などの許可が必要になります。ただ、どこまでが「個人が不要になったものを売っているだけ」で、どこからが営業になるのかが曖昧で、摘発例はあるものの判断は難しいようです。

【摘発例】2016年9月には、嵐のチケットをネット上で無許可で転売したとして、古物営業法違反(無許可営業)の疑いで神奈川県の女性が逮捕されました。2年前からチケット約300枚を転売し、計約1000万円を売り上げたとみられています。

これについてエンターテイメント業界に詳しい弁護士の福井建策さんは以下のように述べています。

「転売チケットは古物とされ、営業として売買を行うなら古物営業の許可がいる。逮捕された方は、転売の規模が大きかったため『営業』だと判断されたのだろう。これは営業許可を取れば済む話ではあるので、本当の転売業者への対策にはならないかもしれない。ただ、一般人には手続は重荷だし、逮捕者まで出たことで意外と抑止効果は大きい気がする」

 

3. 詐欺罪

2015年11月から、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)は転売チケットの一律利用禁止を発表しました。転売が確認できたチケットのQRコードは無効化され、転売チケット購入者は入場できなくなります。

「転売することの禁止」だけではなく、「転売チケットを無効化」したことで、今後業者は入場できないことをわかってチケットを販売すれば、詐欺罪に問われる可能性が出てきます。

しかし「(入場できないチケットとわかったうえで、)故意に欺き財物を交付させた」ことが明らかなケースは多くないでしょう。

 

4. 規約違反

多くのイベント主催者は、チケット販売時に「営利目的の転売を禁じる」という規約を定めているため、転売は契約違反にあたる可能性はあります。しかし、現在の日本ではイベントのチケットのキャンセルがほとんど認められておらず、公式の再販システムの整備も遅れているため、この規約をもとにどこまで法律に訴えられるかについては、意見が分かれているようです。

 

以上のように、現行法ではチケット転売を厳重に取り締まることは難しく、摘発はごく一部の悪質な例に限られます。

ニューヨーク州などでは、チケットを定価より高く転売するネット上のダフ行為を処罰する州法があります。日本の音楽業界も、先程のコンサートプロモーターズ協会のように、ネットでのチケット転売を規制する法改正を目指しロビー活動をしていく可能性があります。法規制までする必要があるのか、ある程度までは市場原理に任せておくべきなのか、については議論が分かれるところでしょう。

 

音楽市場の変化(音楽ソフト・有料音楽配信・音楽ライブ)

調べもの

昨日は「興行チケットの一次流通と二次流通の市場規模」について書きましたが、もっと音楽市場の全体を見たいなと思い、以前から私のTwitterのTLで度々話題となっていた柴那典さん著の「ヒットの崩壊」を読んでみました。これがもうめちゃくちゃおもしろい。

「ヒット曲」についての考察で、オリコンビルボードJOYSOUNDと各種ランキングの比較があるのですが、思わず上から順に部屋でひとりで熱唱し、読了に予想外に時間がかかってしまいました(笑)

音楽好きな人はもちろん、テレビ業界やソーシャルメディアに関心のある人、世の中に何かを広める仕事をしている人など、多くの人が楽しめる内容かと思います。オススメ!

 

ということで、音楽市場全体の数字について調べてみました。

 

日本は世界2位の音楽市場で、世界の音楽売上の約1/5以上の市場規模を占めています。

しかし、最近ではその市場規模は急速に縮小しています。IFPI(国際レコード産業連盟)が2013年に発表した「DIGITAL MUSIC REPORT」によると、

  • 日本の2013年の売上は、前年36億1000万ドル(約3667億円)から16.6%減少し30億1000万ドル(約3057億円)
  • 世界の2013年の売上は、前年156億ドルから3.9%減少し150億ドル(約1兆5240億円)
  • 日本を除いた場合、2013年の世界の音楽売上は0.1%の微減!

と、世界でも日本の音楽市場だけが極端に縮小していることがわかります。

 

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世界規模の音楽売上をまとめた年次レポートをIFPIが公開......|ALL DIGITAL MUSIC)

 

 

日本の音楽市場を詳しく見ていきましょう。

まずは音楽ソフトの種類別生産額から。

史上最もCDが売れた1998年に比べ、2015年の音楽ソフト生産額は約40%。6075億円から2545億円へと、この17年で約3500億円の市場が失われました。

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音楽ソフト 種類別生産金額推移日本レコード協会

 

CDレンタル店数も、1989年の6213件をピークに減少し続けています。

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CDレンタル店調査日本レコード協会

 

音楽ソフト(フィジカル音楽)に対して、デジタル音楽の市場はどうでしょうか。

2007年までは「音楽ソフトが有料音楽配信にシェアを奪われている」と説明できましたが、それ以後は音楽ソフトの売上が急速に減少し、音楽市場全体の売上が減少傾向にあります。

しかし、2010年から有料音楽配信の売上も減少に転じています。この背景には、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)からスマートフォンへのトレンドの移り変わりに伴う、利用者の有料音楽との付き合い方の激変があります。

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有料音楽配信 売上実績日本レコード協会

 

有料音楽配信の内訳を詳しく見てみましょう。

2005年はMaster RingtonesやRingback Tonesの売上が多くを占めています。

  • Master Ringtones:フィーチャーフォンで音楽をダウンロードできるサービス。サビなど楽曲の一部を切り出したもので、「着うた」や「着メロ」があります。2002年12月にKDDI/auが開始、2003年12月にVodafone(現SoftBank)、2004年12月にdocomoで開始されました。(「着うたフル」はシングルトラックに分類される。)
  • Ringback Tones:電話で相手に聞かせる呼び出し音を歌などに変えられるもの。2003年9月にdocomoが「メロディーコール」を、2005年2月にKDDI/auが「EZ待ちうた」(のちに「待ちうた」に改称)、2009年8月にSoftBankが開始しています。

 

その後、一曲丸ごと配信可能な「着うたフル」のサービスが2004年に開始、2008年には着うたフルの高音質版「着うたフルプラス」が開始されました。2010年まで急速にシェアを伸ばしていますね。

  • 「着うたフル」は2004年11月にKDDI/auが開始、2005年8月にSoftBank、2006年6月にdocomoで開始されました。

 

2010年頃からフィーチャーフォンの「モバイル市場」は減少に転じ、「PC・スマートフォン市場」が伸びています。

シングルトラックやアルバムの売上の伸びには、iTunesStoreに代表されるポータルサイトの拡大が貢献。

2013年頃からはサブスクリプション(定額制の聴き放題)が急速に伸びています。せっかくなので日本におけるサブスクリプションサービスも紹介しておきます。

  • AWA:2015年5月開始。サイバーエージェントとエイベックス・デジタルが共同出資。
  • LINE MUSIC:2015年6月開始。LINE、エイベックス・デジタル、ソニー・ミュージックエンターテインメント、ユニバーサル・ミュージックが共同出資。
  • Apple Music:2015年7月開始。Appleが提供。
  • Google Play Music:2015年9月開始。Googleが提供。
  • Rakuten Music:2016年8月開始。楽天が提供。
  • Spotify:2016年9月開始。ソニー、ユニバーサル、ワーナーの音楽業界「世界三代メジャー」と契約を結んでいる。

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有料音楽配信 売上実績日本レコード協会

 

PC・スマートフォン市場は拡大を続けているとはいえ、2008年から2010年にかけてのモバイル市場の売上ピーク時と比べると、その35%ほどの市場規模にとどまっています。

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有料音楽配信 売上実績日本レコード協会

 

 

ここまで、減少傾向にある日本の音楽市場について見てきましたが、音楽ライブに目を向けてみると、また違った状況が見えてきます。

2011年頃から音楽ライブ市場が急速に伸び始め、2014年には音楽ソフトの市場規模を追い抜いています。いまや音源よりも興行収益、CDよりもライブで稼ぐ時代になっているのです。

音楽ソフト・有料音楽配信ともに減少傾向にあるものの、音楽ライブ市場に引っ張られる形で音楽市場全体も拡大傾向にあります。

 

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音楽ソフト 種類別生産金額推移日本レコード協会
エンタテインメント市場における 「電子チケット」の現状レポート|ぴあ株式会社)
2015年のライブ・エンタテインメント市場|ぴあ株式会社) 

 

インターネットの普及により音楽は簡単にコピーできるようになり、YouTubeなどで無料で音楽と映像を楽しむことが可能になりました。スマホさえあれば、いつでもどこでも好きな音楽を聴くことができます。

そのような時代だからこそ、「その時間、その場所」でしか味わえない「体験」の価値が高まっている。「モノの所有」から「体験の消費」へとは、近年あらゆる業界でいわれていることですね。

 

音楽ライブについても詳しくまとめたいのですが、ひとまずライブ市場についての説明はこちらの記事に譲ります。

 

興行チケットの一次流通と二次流通の市場規模

調べもの

先日はじめて映画の舞台挨拶に行きました。

前日の夜中にチケットキャンプで、定価以下の1000円で購入。
必要な情報がメッセージで送られ、当日映画館で発券というあまりにスムーズな流れに驚きました。

普段の映画鑑賞というとNetflixでBGM代わりに流すことが多いのですが、役者の熱い想いを生で聞き、スマホの使えない環境で全神経を作品に集中させる...というのはなんとも贅沢な時間。泣きました。

 

そこで今日はチケット市場の一次流通と二次流通について調べてみます。

 

まず日本におけるライブ・エンタメ市場規模を見てみましょう。
2015年次点で5000億円以上の市場規模であることがわかります。

ここに映画と遊園地・テーマパークも含むと1兆2800億円('13年)の市場規模となるのですが、今回は二次流通のメインジャンルである以下の3つに絞ります。
(※スポーツに関しては2013年までの統計しか見つからなかったため省略。

順調に市場が拡大していますが、特にここ5年間の音楽市場の伸びが著しいですね。

 

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2013年までのデータ(エンタテインメント市場における 「電子チケット」の現状レポート|ぴあ株式会社)
2014年,2015年のデータ(2015年のライブ・エンタテインメント市場|ぴあ株式会社) 

 

音楽とステージのジャンル別市場規模も見てみましょう。

2つの円の面積比は市場規模の比と同じです。

音楽ではポップスが圧倒的ですね。ジャニーズやアイドルなどの内訳が気になります。

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エンタテインメント市場における 「電子チケット」の現状レポート|ぴあ株式会社)

 

また、近年では2.5次元ミュージカルが盛り上がってきています。

2.5次元ミュージカルとは、2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称です。

2015年の2.5次元ミュージカル市場規模は104億円。前年比10.2%増と順調に成長。タイトル数は123本(前年より20本増)、公演回数は1,660回(前年比17.8%増)といずれも増加しましたが、前年の宝塚歌劇100周年記念で例年以上に公演数の多かった「ベルサイユのばら」による動員数の純減が響き、動員数は前年比3.1%減の132万人にとどまりました。好調な2.5次元ミュージカル市場/ぴあ総研が調査結果を公表|ぴあ株式会社)


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2015年の2.5次元ミュージカル市場規模推計|ぴあ株式会社)

 

 

日米で比較してみましょう。スポーツ市場の差が目立ちますね。
(映画、遊園地・テーマパークを含むアメリカのエンタメ市場規模は約4兆円。映画は日本の5.8倍!

スポーツというと、2014年2月にチケットストリート日本バスケットボールリーグNBL)と提携し、日本初の「主催者公認」のチケット二次流通を実現させました。2014年12月にはStubHubと業務提携しグローバル二次流通サービスをリリースしていましたが、現在は運用休止しているもよう。

StubHubとは、eBay(イーベイ、本社:米国)のグループ企業で、米国チケット二次流通市場におけるトップ企業です。ここは長くなるので、海外のチケットマーケットプレイスにつていはまた折を見てまとめようと思います。

 

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エンタテインメント市場における 「電子チケット」の現状レポート|ぴあ株式会社)

 

 

ちなみに、日本は米国に次ぐ世界2位のライブ・エンターテイメント市場。全世界のチケット市場規模の約1/5を占めています。

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チケットストリート西山氏より(チケットストリート、二次流通拡大への挑戦東洋経済オンライン)

 

では、チケットの二次流通はどうでしょうか。

国内ライブエンターテイメントの年間ユニークユーザーは2700万人といわれているなか、二次流通でチケットを購入するユーザー数は200万人ほどと言われています。('14年時点)

アメリカと比較すると、日本の一次流通に対する二次流通の割合が小さいことがわかります。このことから、今後日本において二次流通の割合が大きくなり、市場規模が倍以上になる可能性も見えてきますね。

2014年時点での全世界のチケット一次流通は約3兆円、二次流通は1.8兆円という推計も見られましたが、1.8兆円には遊園地・テーマパークも含まれていると予想されます。

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チケットストリート西山氏より(チケットストリート、二次流通拡大への挑戦東洋経済オンライン)

 

今やチケット二次流通市場で国内最大級となったチケットキャンプの月次流通総額の推移はこちら。

2014年1月に有料化。同年12月時点で流通総額は前年比603%の8億円、取扱件数は前年比725%と順調に数字を伸ばしています。

2015年3月にミクシィによる115億円での買収。

SNSmixiコミュニティとの連携開始。mixiではクローズドなファンコミュニティが形成されており、既に個人間のチケット取引が行われていたので親和性は高かったもよう。同年6月には登録会員数200万人を突破しています。

同年7月8月と11月12月に全国規模でのテレビCMを放映。mixiのモンストCMによるマス・マーケティングの知見が生きたもよう。CMの効果が流通総額の推移にも見て取れますね。

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フンザ社の株式取得について|株式会社ミクシィ

   

最後にモバイルコマース市場全体を見てみましょう。
ここ10年以上、スマホ経由の販売市場が拡大を続けています。

「モバイルコマース市場」は
 ●物販系市場(一般的な通販を対象)
 ●サービス系市場(興行チケット、旅行チケット、航空チケット、鉄道チケット等を対象とした市場)
 ●トランザクション系市場(証券取引手数料、オークション手数料、公営競技手数料等を対象とした市場)
に分けられるそう。

チケットの二次流通サービスにおいては、チケット代(サービス系市場)と、手数料(トランザクション系市場)両方がありますね。

 

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 Mobile Content Forum一般社団法人バイル・コンテンツ・フォーラム)

 

オークション/フリマサービス利⽤者数は、'14年1月時点でPC、スマホともにほぼ同数であった利用者が、'16年1月にはスマホからの利用者がPCの2倍以上となっています。

また1人あたりの利用回数もスマホがPCの約3倍と大きく差をつけました。

この背景には、後述するメルカリを筆頭とするフリマアプリの成長があります。代表的なものでは、ファッションに特化した「フリル(FRIL)(Fablic運営、500万DL) や、「zozoフリマ」(スタートゥデイ運営)、ハンドメイド専用マーケットである「minne(ミンネ)(GMOペパボ運営、600万DL) などが挙げられます。('16年6月)

 

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  2016年2月23日付ニュースリリース|ニールセン株式会社)

 

スマートフォンから最も利⽤者の多かったサービスはヤフオクの1,768万⼈。

2位となったのはメルカリで、1年間で利用者数が2.1倍に伸びています。アプリの利用率は95%と圧倒的ですね。ちなみにメルカリがAndroid版、iOS版をリリースしたのが2013年7月、Webから出品可能になったのが2016年3月です。3月以降のブラウザ利用者数の伸びが気になるところ。

メルカリの国内での月間流通額は100億円を超え('16年3月)、DL数は国内で3000万(米国は1000万)を突破しています('16年6月)。

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2016年2月23日付ニュースリリース|ニールセン株式会社)

 

ちなみにチケットキャンプのデバイス別閲覧比率はこちら。
スマートフォンからの利用が圧倒的ですが、アプリ比率は15%弱のよう。('14年時点)

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フンザ社の株式取得について|株式会社ミクシィ

 

今回は全体像をつかむために、市場規模に焦点を当てて書いてみました。

チケット販売のシステムや、去年あたりから騒がしくなっているチケット転売問題についてもまた書きたいと思います。